動画編集のしくみ(2003/12/04更新)



  動画編集のしくみを知る事によって、できることとできないことを理解すれば間違った事は起きません。
  理解を深めて、簡単な動画編集に慣れてください。



  はじめに

  AviUtlやAviSynth、VirtualDubはコーデックというものを外部に依存する「フロントエンド」です。
  コーデックが無ければ、AVIファイルを読み込むことも出力する事もできません。
  また、音声もコーデックが必要です。Windowsには標準でWAVEやMP3のコーデックが付属しています。
  ですが、Ogg Vorbisなどは付属していません。MP3もLAME ACMなどを導入しないと128kbpsなどを選べません。
  これらを扱いたい場合は、コーデックをインストールしてください。

  TMPGEncは、MPEG1とMPEG2の出力用コーデックを内臓しています。これが他のフロントエンドとの差です。



  圧縮形式と編集についてできることとできないこと

  動画には、いろいろ圧縮形式があります。その圧縮形式に対応するコーデックがあれば、基本的に再生や編集が可能です。

  動画をカット編集するには、それぞれの圧縮形式に対応したコーデックが必要です。(プレーヤーで再生できるだけではダメ)
  DivXの動画ファイルを分割したいなら、分割したい動画とバージョンの同じDivXのコーデック、
  WMV9VCMの動画ファイルを分割するならWMV9VCMが必要であるということです。
  MPEG2をカット編集する場合、MPEG2出力に対応したソフト(TMPGEncのMPEGツール、カノープスのMpegCraft等)が必要です。
  AviUtlでMPEG2を読込ませることはできますが、MPEG2出力に対応していないためカット編集はできません。

  また、WMV9VCMやDivXなどはキーフレームというフレームが飛び飛び存在しているので、好きなところでカット編集できない
  場合があります。キーフレームとは、下の図のような性質を持っています。
  
  赤色のキーフレームを先頭にした場合はどこでも切れます。(例:1〜10フレームまでが欲しいので11〜16フレームをカット)
  (例:9〜14フレームまで欲しいのでそれ以外をカット)(6〜13フレームを残して残りはカット)
  しかし、青文字のキーフレーム以外のフレームから動画をはじめる場合、次のキーフレームまで再圧縮が必要になります。
  (例:3〜13フレームを残して後はカットしたい場合。3〜5フレームまでは再エンコードが必要。)
  (例:13〜16フレームを残して後はカットしたい場合。13〜16全フレーム再エンコードが必要。)
  このように、キーフレーム以外の圧縮フレームを先頭フレームにして編集する場合は注意が必要です。
  同様に、MPEG2にもGOP構造というものがありIピクチャというフレームが先頭に無い場合は、次のIピクチャまでは再圧縮
  となります。再圧縮されたフレームは上手に処理されない可能性があるので、劣化が激しいです。

  動画を結合編集するには、それぞれの圧縮形式に対応したコーデックが必要です。(プレーヤーで再生できるだけではダメ)
  また、DivXの動画とWMV9VCMの動画を「結合編集」することはできません。同じAVIでも中身は全く別の圧縮方法だからです。
  動画を結合するには、「コーデックが同じである、動画の内部ステータスが似ている」といった条件が必要です。
  例えば、DivX5.1のAVIとDivX5.05のAVIの結合も、バージョンが違うということでうまく結合できません。
  また、320×240のDivX5.1のAVIと640×480のDivX5.1のAVIがあったとしても、内部ステータスが違うので結合はできません。
  更に、音声コーデックも同じ必要があり、その内部ステータス(ビットレート、チャンネルなど)も同じでなければ
  結合はできません。かなり条件が厳しいと思いますので、結合はできるだけしないようにしましょう。
  AVIファイルとMPEG2ファイルはもちろん結合できません。

  カット編集と結合では「フィルタリング」ができません。
  エンコードする部分だけフィルタリングが可能となりますので、勘違いをしないでください。



  再エンコードをすれば、どんな映像でもカット編集やフィルタリングが可能です。そのしくみを図で説明します。
  
  上図のように、読み込み→編集+フィルタリング+エンコードといった3つの工程があります。
  読み込みで読み込まれたファイルは、映像データとして動画編集ソフト上に展開されます。(音声データも)
  このとき、映像コーデックが無い場合は音声のみ読み込まれたり、編集ソフトがファイルを受け付けません。
  音声コーデックが無い場合は、映像だけ読み込まれたり、編集ソフトがファイルを受け付けません。
  読み込めないということは、対応したコーデックがインストールされていないということです。

  次に、編集ソフトは展開された「映像と音声」をフィルタリングによって操作できます。
  要らないフレームを削除したり、映像の縞を消したり、ノイズを低減したり、音量を上げたりできます。

  そして、編集が終わったらコーデックを通してエンコードします。このとき、読み込んだ時のコーデックを使わずに、
  別のコーデックを使う事ができます。(例:MPEG2を読み込んで、WMV9にエンコード)

  このとき、フィルタリングを行わず読み込みと同じコーデックを用いて「再圧縮無し」で出力すれば、
  映像の劣化無しで、カット編集のみすることができるのです。



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