アドバンスモードのMPEG2エンコ(2004/02/23更新)



  Ulead Video Studio 7 に搭載されているMPEG2エンコーダを使って、CCEやTMPGEncのように「エンコーダとして」
  設定を楽しむことができます。それには、先述の「アドバンスモード」にする必要があります。

  どのような設定をすればいいのか、どのように使うのかを実践を交えて紹介します。



  はじめに

  まずは「どのようなDVD-Video形式」のMPEG2を作りたいのかをはっきりさせる必要があります。
  DVD-Video形式のMPEG2の意味がわからない人は、アドバンスモードを楽しめません。
  MPEG2の勉強をしてからここを読んでください。設定を間違えてアドバンスモードで作ったMPEG2は、
  DVD-Videoにできないだけでなく、PC用のファイルとしても役立たずになります。

  お願い:DVD-Video作成中級者以上のコンテンツです。
  理解力と動画に関する知識が必要です。用語の意味などはしっかり把握しておいてください。



  ソース読み込みカット編集など

  すべて、AviUtlで行います。Video Studio 7 はMPEG2エンコーダとしてのみ利用するからです。
  AviUtlで編集→プロジェクトファイル保存→VFAPIConv(擬似AVI)→VideoStudioで読み込み
  という手順になります。AviUtlでフィルタリングをすると重くなるので、できるだけしないようにします。
  手順の図は次の通りです。
  

  AviUtlにおけるDVD-Video形式のAVI作りのコツ
  ・フィールドを壊さない(クリッピングをせずに黒塗りつぶし系を使う、ノイズ除去はフィールド単位で行うなど)
  ・フィールドオーダーを守る(24fps化する場合は特に)
  ・29.97fps又は23.976fpsのプロジェクトにする。(DVD-Videoの常識です。24pもアドバンスモードでエンコードできます)
  ・720×480、704×480、352×480にピクセルサイズを合わせておく。(FullD1、Cropped D1、HalfD1をAviUtlで作っておく)
  ・重いフィルタは使わない。(エンコード時間が飛躍的に長くなるからです)
  これらを守れば、失敗しません。DVD-Video形式のMPEG2と同じようなステータスを持つ、参照AVIを作ればいいのです。

  VideoStudioにおけるDVD-Video形式のMPEG2エンコードのコツ

  ・オーサリングソフトが読み込めるような形式にすればOKです。
  ・フィールドオーダー、24pの再生時3:2プルダウン、フレームレート、ビットレート範囲、ピクセルサイズやアスペクト比などを間違えなければ綺麗に出来ます。



  参照AVIを読み込んでからエンコードまでの流れ

  まずは、編集部分に参照AVIを読み込みます。一度VideoStudio7に登録してから、下にある編集部分に登録します。
  その後すぐに「完了」→「ビデオファイルを作成」を選択し一番下の「カスタム」を選びます。
  
  ↑この「カスタム」を選ぶことにより、アドバンスモード突入です。ここからが中級者エンコマニアの腕の見せ所です。
  選ぶと下のようなウインドウが出ます。
  
  ファイル名など付けずに、すぐに「オプション」ボタンを押してください。
  左下の保存オプションは今は意味がありません。前の設定が残っているだけです。

  オプションを押すと次のようなウインドウに切り替わります。
  
  この「Ulead VideoStudio」の項目は、全てチェックが入っていればOKです。今回は入って無くても同じ動作をします。
  この項目ではすることがないので、「圧縮」項目に移ってください。

  「圧縮」項目は次のような設定にします。(重要!)
  
  (1) メディアタイプを「MPEG-2」にします。これでMPEG2に出力されるようになります。
  (2) エンコードの品質を最大にします。もし時間が無いなら70くらいでいいでしょう。
  (3) これが「アドバンスモード」の入り口となります。ですが、まだ入りません。

  「詳細設定(アドバンスモード)」に入る前に、隣の項目の「全般」に移ります。詳細設定でも設定はできますが、
  全般で設定するほうが楽だからです。
  
  「データトラック」は「オーディオとビデオ」にします。すでにLPCMが用意されてるなら「ビデオ」のみでOKです。

  「フレームレート」は「29.97fps」にします。24fps化しているなら「23.976fps」を選びます。

  「フレームタイプ」はソースに合わせる必要があります。ノンインターレース、24fps化してるなら「フレームベース」、
  DVなどのボトムファーストのものは「フィールドオーダーA(ボトムファースト)」、
  MPEG2やトップファーストのAVIなら「フィールドオーダーB(トップファースト)」を選びます。
  間違えやすいので注意してください。

  「フレームサイズ」は、先ほど参照AVI化したサイズを選びます。720×480、704×480、352×480の正しいものを選んでください。


  これで準備は整いました。次からはアドバンスモードです。



  アドバンスモードの基本〜その1
  まずは「BasicSettings」の項目からはじめます。右側が今のステータスになっていますが、すぐに変わるので気にしません。
 
  1、Fields(フィールドの有無、フィールドオーダー)
  この設定は、先ほど「全般」で決めた「フィールドタイプ」が適応されています。間違えてなければそのままでOKです。
  2、Deinterlacing(インターレース解除)
  AviUtlですでに解除していたり、フィールドを残したいので「Disabled」にしておきます。
  3、Video Bitrate(ビットレート調整)
  重要です。DVD-Videoのビットレートは2000〜8000の間が標準です。中級者エンコマニアなら好きな数字を選べると思います。
  4、Video Encoder Quality(エンコード品質)
  重要ですが、先ほど「圧縮」項目で設定したものが反映されています。50が最高です。
  「圧縮」の項目で100を選べば50に、70を選べばここでは35になっているはずです。要するに半分で表現されてるだけです。

  「BasicSettings」は明快な部分なので、間違える事は無いと思います。

  次に、「VideoSettings」の項目に移ります。ここはかなり複雑なので注意が必要です。
 
  設定はそれぞれの状況で違ってきます。自分がどのタイプのDVD-Video形式のMPEG2を作っているのかを把握して行ってください。

  A Flame rate(フレームレート)
  
  赤で囲んである23.976fps、又は29.97fpsを選びます。ソースが24pの場合は23.976fpsを、普通の29.97fpsのソースの場合は
  ドロップフレーム又はノンドロップフレームの29.97fpsを選択します。ドロップフレーム、ノンドロップフレームは、タイムスタンプに関係しています。
  タイムスタンプを正確にする場合はドロップフレーム、普通の場合はノンドロップフレームにします。(今回はMPEG2なのでノンドロップフレームが正解です。)

  B Aspect retio(アスペクト比)
  
  普通は4:3を選びます。もし、16:9スクイーズソースをAviUtlで扱っていた場合は16:9です。
  レターボックスはスクイーズではないので注意してください。意味がわからない場合は4:3でOKです。

  C Pulldown(プルダウン)
  
  23.976fpsを選んだときのオプションです。RFF、TFFを挿入して29.97fps(内部24fps)を作らないとDVD-Videoにならないので、「3:2」を選びます。
  ここで選び忘れると、24pのMPEG2にRFF TFF信号を入れるソフトを別途使わないといけなくなります。

  D GOP Structure (GOP構造)
  GOP構造を決めます。もしClosdGOP(編集用)を出力する場合は、ClosdGOPの所を「1」にします。
  デフォ以外選べませんが大丈夫です。DVD-Videoのピクチャ数は18以内だからです。

  E Bitrate type(CBR、VBR選択)
  CBRでエンコードするのか、VBRでエンコードするのかを選びます。好きなほうをどうぞ。

  F Constant Bitrate(CBR)
  Eの項目でCBRを選んだ場合、ここを設定します。2000〜8000の間でどうぞ。Rate controlは3種類ありますが、mode1でいいでしょう。
  CBRを選んだなら、6000〜8000だとかなり画質が良いと思いますが、低ビットレートの場合はVBRが適しています。

  G Variable Bitrate(VBR)
  Eの項目でVBRを選んだ場合、ここを設定します。Max(最大) Avg(平均) Min(最小)を設定してください。
  オーサリングソフトの性能でいくらでも変えられますが、2000〜8000の間にするのが普通です。
  しかし、うまく設定しても適応されないのであまり気にすることはありません。
  Constant qualityは10固定で、Quality limitは0〜3が良いと思います。

  これでほとんどのセッティングが完了です。これで「OK」を押してもまともなMPEGができます。



  アドバンスモードの基本〜その2発展編

  私も使いこなせていないものですので、間違いだらけです。
 

  A Profile & Level ID(プロファイルとレベルのID)
  DVD-VideoはMP@MLです。(Main Profile & Maim Level)
  それ以外は選ぶ必要はありません。

  B User quantization(量子化行列ユーザー設定)
  量子化行列を自分で設定することが出来ます。
  
  静止画の画質と量子化を制御することができます。TMPGEncと同じで、イントラブロックとノンイントラブロック2つを設定できます。

  C Motion search(モーションサーチ)
  TMPEncの動き検索精度みたいなものでしょうか・・・調査中です。

  D Do Half-par search(半検索を行う)
  動き検索の高速化モードでしょうか・・・調査中です。

  E Noise sensitivity(ノイズ感度)
  エンコード中のデジタルノイズ感度の良さでしょうか・・・調査中です。

  F Color primaries 、Transfer characteristics 、Matrix coeffients(わかりません)
  何かの定義でしょうか。・・・調査中。
  ・Specifies the x, y chromaticity coordinates of the source primaries.
  ・Specifies the opto-electronic transfer characteristic of the source picture.
  ・Specifies the matrix coefficients used in deriving luminance and chrominance signals from the green, blue, and red primaries.
  ということです。

  G Auto set motion vectors(動きベクトルオートセット)
  動きベクトルの設定らしいですが・・・調査中

  H Additional settings(追加設定)
  DC成分精度(8bit 9bit 10bit)や色々な設定が出来ます。奥が深すぎて説明できませんが、動画用語の通りであると思います。
  解像度やその他設定ができるので、一度は覗いて下さい。英語で解説やステータスが下に出ますのでわかりやすいと思います。

  少しずつこの場所は更新します。
  なお、デフォルトのままでも大丈夫であることは確認しました。



  アドバンスモードの基本〜その3音の設定

  MPEG2の音声フォーマットの設定ができます。
 

  ●タイプの設定 なし、MP1、MP2、PCM、AC-3を選ぶことが出来ます。
  
  Movie Writer Advance SEを入れた状態なら、AC-3を使えるようです。

  他にも設定がありますが、ここではちゃんと設定できません(サンプリング周波数など)。音声はアドバンスモードは苦手なようです。



  アドバンスモードの基本〜その4出力の設定

  マルチプレクサの設定できます。
 

  A Maltiplexing Type(マルチプレクサの種類)
  
  DVDを選びます。TSはD-VHSなどに書き戻す場合に利用できます。DVDと選ぶと、チェックボックスなどが自動で入るので、
  便利です。MPEG-2でもOKですが、設定する場所が増えるだけなので「DVD」を選んでください。

  B Variable bitrate(VBR)
  VBRを選んだ場合はチェックONです。それだけです。

  C Video buffer size(ビデオバッファサイズ) Force Mux rate(多重化したときのMAXビットレート)
  マルチプレクサの設定でDVDにすると上の絵のようになりますので、それでいいですが、
  多重化したときの強制ビットレートは9000くらいにしておいたほうが、オーサリングソフトが読み込みやすくなります。
  ヘッダをごまかすことならいくらでもできるので、デフォでも大丈夫です。

  D Split file options(ファイル分割オプション)
  何も設定の必要はありません。NTFS使っている場合ですが。変なところで分割されても困るので、設定しないほうがいいでしょう。

  E Pulldown(プルダウン) Timestamps(タイムスタンプ)
  プルダウンは29.97fpsの場合は「None」23.976fpsの場合は「Auto」にします。
  タイムスタンプは「Iフレーム毎」にします。

  F Write program end code(プログラムエンドコードを入れる) Aline sequence headers(シーケンスヘッダーを入れる)
  両方にチェックを入れてください。マルチプレクサの種類をDVDに入れると、両方チェックが入るはずです。




  アドバンスモードの設定が完了したら「OK」を押して抜けてください。
  アドバンスモードを抜けると、音声の設定が待っています。
  注意:音声をすでにLPCMで出力している場合で、映像のみエンコードする場合は必要ありません。
  
  DVD-Videoの場合は「16ビット、ステレオ又はモノラル、48000Hz」である必要があります。
  そうなるように選んでください。上の絵は、「ステレオ、48000Hz、256kbps」となっています。
  もちろんビットレートを増やしてもいいです。


  音声の設定ができたら、「OK」を押してください。これで全ての設定が完了です。
  完了したら、この画面になりますが、今度は左下のステータスを確認してください。
  
  1 確認をします。自分の選んだものが適応されて無い場合は、適応されて無い場所を設定しなおしてください。
  2 保存場所と名前を決めます。上書きは出来るだけしないでください。
  3 OKを押せばエンコードが開始します。かなりの時間がかかります。



  注意事項1 VBRのビットレート設定など、アドバンスモードでうまく設定できない場所があります。
  その場合はテンプレートで設定をしてみてください。

  注意事項2 バッチエンコードはできません。

  注意事項3 エンコード後、ちゃんとファイルが出来ているか確認してください。



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